スーツ 『機能性』と『デザイン性』の調和に鍵あり
メンズ・スーツを考えたときに、
大まかに2つに分けられる。
一つは、着心地を重視し、体にあった
【機能性】を重視したスーツ。
オーダースーツに代表されるのがこれです。
そして、もう一つは、【デザイン性】を重視した
デザインーズブランドに代表されるのがこちら。
一般に年配の方、及び、
クラシコイタリアのブーム以来のオーダー崇拝者に見受けられる
「スーツといえばオーダーに限る」という
「オーダー至上主義」がありますが、
私は「オーダー至上主義」ではありません。
いわゆる「オーダースーツ」というのは「至上のスーツではない」と思います。
(注:いわゆる)
なぜならば、
テーラーの感性が、時代をよんでいなければ、
たとえ着心地の良い、体に沿ったスーツであっても、
「今」カッコイイ良いスーツにならないからである。
もう一方で、デザイン性に特化したスーツ。
例えば、デザイナーズ・スーツになるわけだが、
現在、細身のものが多いです。
今のスキニーブームとあいまって、
非常にスッキリとスレンダーに見え、
確かにカッコイイです。私もそう着たいです。
しかし、世の中、細い人ばかりではないわけで、
学生時代スポーツをやっていたりすると、
太ももやチェストががっしりしていたりして、
これはダイエットでどうこうなるものではないし、
すべきでもないと思う。それが体の個性です。
この2つの『機能性』と『デザイン性』が
バランスがとれ、ぶつかりあって、
生み出される「カッコイイ」スーツ。
現在、どこが提供しているのであろうか。
最近、ツープライス・スーツ系のお店や
新進テーラーが、グレードをアップして、
そういったものを提供しているような気がする。また、
セビルローの新世代テーラーはそれを実現しています。
雑誌でも注目のアメリカ トム・ブラウン。
股下の短いスタイルを打ち出している彼の服は、
実はオーダーから出発しているようだ。
彼の服がどういう服なのか、
まだ着たことがないので、分からないが、
レディースのクチュールのように、
テーラーからすれば、もっとデザイン性を高め、
デザイナーズからすれば、もっと機能性を高めた、
スーツというのが、これから求められるのではないかと思う。
ビジネスモデルとしてのクチュールによるスーツ。
「テーラー」という看板ではないオーダー可のスーツ。
もしKibbyというお店が存在するのなら、
そういったお店にしたいと思います(非常に抽象的ですが)。
「この(カッコイイ)スーツ、
お客様の体に、よりフィットする形でお仕立てもできます。」