00年代後期からのスーツのシルエットとは

kibby2007-01-25

時代を振り返ってみると、


1980年から1990年代半ばまで
支持されていた、ゆったりとしたシルエット。


アルマーニに始まるソフトスーツがそれである。
この時代は、デザイナーズに限らず、


マスのサラリーマンのスーツでもそうで、
ノータックではなく、裾口の広い、
タック入りのスラックスが好まれたようだ。


時を経て細身になり、現在は足のラインがくっきりでる
細身の究極系と言える「スキニー」までいき、
スーツのスラックスもスキニーなものが登場した。
(ストレッチ素材が入っていないとキツいです。
 デニムと違い、ウールはやぶけます、汗)


ファッションは廻りまわるもの。
ゆったりとしたシルエットは必ずくる。


00年代後期からのスーツにどうゆったりさはでるか。
コレクションを参考にしながら考えようと思う。


●上半身コンパクト+下半身ゆったり
デザイナーズでは、上半身はコンパクトに、
パンツをゆったりとさせたシルエットが出てきている。


ただDior Hommeバーバリープローサムでは、
06-07FWにおいて、スーツで、
まさにそういったシルエットがあったのだが、
07SSではまだ早かったのか、ゆったりとしたものが無くなりました。


●上半身ボリューム+下半身ぴったり
そうしてもう一つの流れが、
先ほどの逆の上半身にボリュームをもたせたシルエット。


つい先日行われたGUCCIに代表される
07-08FWミラノコレクションの流れだ
http://men.style.com/fashion/collections/F2007MEN/review/GUCCIMEN


確かに、スキニーなパンツは健在であり、
トップスにボリュームや変化をもたせるという流れであろう。


しかし、日本のスーチングにおいて、
どちらの流れが親和性があるか、
先に影響がでてくるか、を考えると、
僕は前者だと思う。


幅広ラペル、ピークドラペルや
コンケープショルダーなど上半身のボリューム感の兆しはありますが、
それはあくまでディテールどまりで、


ラフシモンズジルサンダーのような
http://www.vogue.co.uk/Shows/Reports/Default.aspx?stID=36370
上半身がゆったりとしたシルエットはちょっと早い気がする。
(個人的には彼のコレクションは無機的で好きです、
 シンプルな分、着こなしが凄い難しそう)


当分現在の上半身も下半身もぴったりの流れは続くと思いますが、
既にワタリがぴったりなままで、
裾口が広いスラックスが登場してきています。


また機能性の面で、ぴったりめのスラックスは、
足の細いアンガールズ体型の人にはいいが、
太めの足を持っている僕のような人間にはチトつらい。
また、座り仕事の人には、ノータックに慣れてしまっているが、
やはりタックがある方が過ごしやすい。


携帯電話を入れる場所に困る人間としては、
タックがあるパンツの方がいいということもある。


また気分としては、
景気が上向いてきた分、ハカマではないが、
裾を少々ばたつかせて歩くのもありという気もしている。
だぶだぶではなく柔らかい生地での天衣のような感じで。


ひょっとすると、
以来独自路線をたどっていたアルマーニの再来か。
こちらはタックなしでのゆったりスラックスを実現させているが、
おいそれとコピーするとそうも簡単にはいかないアルマーニ
さすが。


いづれにせよ、従来のタック入りパンツではなく、
股上が浅いなどのセクシー路線も確保した
ボリューム感のあるかっこいい、今のパンツの開発が急務。


ヨウジヤマモトの07SSのような
上半身も下半身もボリューム感のあるバギースーツの時代は
まだだいぶ先であろう。
http://www.vogue.co.uk/shows/photos/Default.aspx?ShowID=3668