00年代後期からのスーツのシルエットとは
時代を振り返ってみると、
1980年から1990年代半ばまで
支持されていた、ゆったりとしたシルエット。
アルマーニに始まるソフトスーツがそれである。
この時代は、デザイナーズに限らず、
マスのサラリーマンのスーツでもそうで、
ノータックではなく、裾口の広い、
タック入りのスラックスが好まれたようだ。
時を経て細身になり、現在は足のラインがくっきりでる
細身の究極系と言える「スキニー」までいき、
スーツのスラックスもスキニーなものが登場した。
(ストレッチ素材が入っていないとキツいです。
デニムと違い、ウールはやぶけます、汗)
ファッションは廻りまわるもの。
ゆったりとしたシルエットは必ずくる。
00年代後期からのスーツにどうゆったりさはでるか。
コレクションを参考にしながら考えようと思う。
●上半身コンパクト+下半身ゆったり
デザイナーズでは、上半身はコンパクトに、
パンツをゆったりとさせたシルエットが出てきている。
ただDior Hommeやバーバリープローサムでは、
06-07FWにおいて、スーツで、
まさにそういったシルエットがあったのだが、
07SSではまだ早かったのか、ゆったりとしたものが無くなりました。
●上半身ボリューム+下半身ぴったり
そうしてもう一つの流れが、
先ほどの逆の上半身にボリュームをもたせたシルエット。
つい先日行われたGUCCIに代表される
07-08FWミラノコレクションの流れだ
http://men.style.com/fashion/collections/F2007MEN/review/GUCCIMEN
確かに、スキニーなパンツは健在であり、
トップスにボリュームや変化をもたせるという流れであろう。
しかし、日本のスーチングにおいて、
どちらの流れが親和性があるか、
先に影響がでてくるか、を考えると、
僕は前者だと思う。
幅広ラペル、ピークドラペルや
コンケープショルダーなど上半身のボリューム感の兆しはありますが、
それはあくまでディテールどまりで、
ラフシモンズのジルサンダーのような
http://www.vogue.co.uk/Shows/Reports/Default.aspx?stID=36370
上半身がゆったりとしたシルエットはちょっと早い気がする。
(個人的には彼のコレクションは無機的で好きです、
シンプルな分、着こなしが凄い難しそう)
当分現在の上半身も下半身もぴったりの流れは続くと思いますが、
既にワタリがぴったりなままで、
裾口が広いスラックスが登場してきています。
また機能性の面で、ぴったりめのスラックスは、
足の細いアンガールズ体型の人にはいいが、
太めの足を持っている僕のような人間にはチトつらい。
また、座り仕事の人には、ノータックに慣れてしまっているが、
やはりタックがある方が過ごしやすい。
携帯電話を入れる場所に困る人間としては、
タックがあるパンツの方がいいということもある。
また気分としては、
景気が上向いてきた分、ハカマではないが、
裾を少々ばたつかせて歩くのもありという気もしている。
だぶだぶではなく柔らかい生地での天衣のような感じで。
ひょっとすると、
以来独自路線をたどっていたアルマーニの再来か。
こちらはタックなしでのゆったりスラックスを実現させているが、
おいそれとコピーするとそうも簡単にはいかないアルマーニ。
さすが。
いづれにせよ、従来のタック入りパンツではなく、
股上が浅いなどのセクシー路線も確保した
ボリューム感のあるかっこいい、今のパンツの開発が急務。
ヨウジヤマモトの07SSのような
上半身も下半身もボリューム感のあるバギースーツの時代は
まだだいぶ先であろう。
http://www.vogue.co.uk/shows/photos/Default.aspx?ShowID=3668