【職人話】シャツと上着の組み合わせの方程式

【執筆中、写真アップのこと】


時々ですが、職場から3mのところにいる
何十年戦士の職人さんからいろいろ教えてもらうのですが、
その中で先日聞いて凄く印象的だったのが、


JKのラペルの巾と、シャツのカラーの形状のハナシです。


シャツカラーの形状というのは、たくさんありますが、
おおまかに二つに分類して、
レギュラー(狭い)かワイド(開いている)かということです。


ここ三年前くらいに若い人を中心に、ワイドカラーが支持されていました
(デザイナーズブランドを除いて、トラッドのハナシです)。


これはなぜか、自分の考えを振り返ってみると、
レギュラーカラーの狭い従来のデザインに
飽きがきて見た目にも新しい、そして、
若々しく、首元をスッキリみせるため、
ワイドカラーを好んで選んでいたような気がします。
また、雑誌LEONを見て、もっとカラーの開きの広い、
ホリゾンタルのシャツを探していたことも記憶に新しいです。


時を同じくして、クラシコのブームの頂点でした。
巾の広い、ゴージラインの高いラペル。
ノッチドが見えないくらい高いものすらありました。
(ちなみにゴージというのは、写真の丸で囲った部分です。)


この二つのことについて、私は切り離して、
シャツはシャツ、スーツはスーツで考えていたのですが、
実は違うということが職人さんに教えてももらったのです。


例えば、ゴージライン高めのジャケットに、
レギュラーのロングポイントのシャツを合わせたとします。
どうでしょうか?何か気持ち悪くありませんか。


次に、同じジャケットに、
ワイドカラーのシャツをあわせてみました。
どうでしょうか。スッキリしたような感じがします。
何かイタリアンな香すら漂います。


では、次に、ゴージライン低めのジャケット、
これにレギュラーのシャツ。うむ、王道。


そう、ゴージラインとシャツのカラーの組み合わせには、
スーツの着こなしにおいてキマリがあったのです。
まとめると、ゴージライン高めにはワイドカラーのシャツ。
ゴージライン低めにはレギュラーカラーのシャツ。


では視覚的になぜそうなのか分析してみると、
赤線でひっぱったところに答があります。
この赤線が平行に近くなれば
潜在的な視覚的作用が、ごちゃごちゃせず、見た目にスッキリとなり、
上記のまとめの組み合わせが導きだされるわけです。


次回の【職人話】は、『ラペル巾と格差社会』です。
近いうちにアップします。