【股下の長さ】に関する考察

kibby2007-04-10

テーラードということで、
スーツに始まるウールのスラックスの
股下の長さについて考えたいと思う。


先の07-08FW NYコレクションで、
トム・ブラウンのコレクションが大変に注目された。
http://men.style.com/fashion/collections/F2007MEN/review/TBMEN


トム・ブラウンは、俳優をやっていた異色の経歴の持ち主で
米の伝統的ブランド『ブルックスブラザーズ』の07-08FWにて、
ゲストデザイナーを務めている。日本での展開につき不明。
http://www.thombrowne.com/


さて、このトム・ブラウンの何が注目されたかというと
スラックスの『丈の長さ』である。
つまり『股下の長さ』。それが極端に短いのである。
くるぶしを越えふくらはぎが見え隠れするくらいの長さなのだ。


実は、日本でも、少し前のクラシコ・イタリアブームの影響で、
ストリートでスキニーが流行る前から細い美しい、
いわゆる美脚シルエットのウールのスラックスが流行していました。
インコテックスのスリムラインに始まるのがそれである。


特にセレクトショップなどの店員・プレスをはじめ、
極端に裾口が細いスラックスをはくようになり、
裾口が細いとクツにぶつかりやすくなり、たまりもできやすいため、
股下の長さを普通に立っていても靴下が見えるくらいに
短くとっている方を見かけました。いわば「店員さんばき」とでもいうのでしょうか。


その「店員さんばき」までいかないまでも、
「クツのかかとにかかるくらい」という標準的な股下をとる基準から、
「かかとから2cm浮かすくらい」に、
と一般的にもどんどん短くとる傾向に現在あります。


これからマスが、
トム・ブラウンのくるぶし丈までかなり短くなるかどうか
は分かりませんが、私としては、細いスラックスから、その反動で、
テーパードなどの裾口の広いものがでてきて、
股下を長めにとると思っていました。


06-07FWから今の梅春にかけて、
ストリートではデニムにブーツが流行っております。
ブーツインが今のところ主流のスタイルですが、
これがテーラードにも影響し、
スラックスにブーツというスタイルがくるとどうなるか。
ブーツインを思わせる極端に短い股下か、
あるいはブーツにかぶせる長い優雅なシルエットか、
どちらになるか分からない。それが面白い。


コレクションの股下の長さのバランスにも注目し、
これからの動向を観察していきたいと思う。

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「店員さんばき」
その背景として
・足元をスッキリみせるため
・靴をよくみせるため
などが挙げられる

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写真は、かかとから3cmくらい浮かしたくらい。
チャッカブーツなので、ちょっと短めにとりました。