クリスの08春夏Dior Hommeが遂にベールを脱ぐ。

エディ・スリマンのDiorHommeの退任劇については、
以前にブログで取り上げましたが、
http://d.hatena.ne.jp/kibby/20070402


かつてエディ・スリマンのアシスタントを務めていた
クリス・ヴァン・アッシュがアーティスティックディレクターに任命され、
新生・Dior Hommeのスタートが今年の3月末に発表されました。


そのクリスによるDiorHommeの一発目2008SSが、
7月1日パリにて、ファッションショーの形式ではなく、
プレゼンテーション方式で発表され、ついにそのベールを脱ぎました。
http://men.style.com/fashion/collections/S2008MEN/review/CDMEN




シャツにパンツに一連のルックから画像は始まりますが、
ネットの書きこみを見る限り、マーケットの反応はイマイチのよう。
(07-08FWのサルエルパンツの時もそうでしたが。)


今回の08SSが、どのような形で発表されるにせよ。
従来のディオール・オムが強烈であったため、反発は免れないとも思いますが。
例えば、エディっぽければ、彼のマネと言われ、
まったく違ければ、せっかく創り上げたエディの意思を継いでいないと言われ。


さて、一連の画像を見て、私が最初に思った感想は、
「エディの06-07秋冬っぽくいくのかと思いきや、
 あまりアヴァンギャルドではないテーラードできた。
 そして、モデルが大人っぽい感じ、超細身でもない」


確かに、エディの頃のように、画像や動画などの資料にくらいついて、
衝撃を味わっていたのとは、残念ながら今回かけ離れてはいますが、


よく見ると、実は、ちょっと変わったテーラードがあります。
例えば、2つ釦ダブルで、以前より外のブランドで時々みかけますが、
今回のコレクションでは、DiorHommeくらい。
ダブルブレストにアレルギーが無くなってきた今、将来性あるかも。


そして、ゆったりパンツ。
まるでピエロのような感じで、
タックがガンガンに入っていて太い(これもまた評判よくないですが)。
07-08FWのエディのサルエルパンツとはまた違います。

また外にもクロップド丈のパンツなどありますが、
スラックスの裾の処理がイマイチ(中途半端)なものもあります。


さて、気になるのは、販売スタッフのこと。
今回のショーのモデルさんの方向性で今後行くとすると、
今のDiorHommeのスタッフとは、
雰囲気が変わってくる可能性があるように感じました。
また、おそらく今の販売員さんたちもDiorが好きで立っていると思うので、
クリス・ヴァン・アッシュのを見て、
離れていく方もいらっしゃるのでは、と心配になりました。


今回のクリス・ヴァン・アッシュのDior Hommeについて、
批判をするつもりは私には一切ありません。


むしろ、この時代を創り上げたビックメゾンの大転換期において、
実際に08SSが、店頭に商品が並んでから、 いろいろ試してみて、
再度DiorHommeを見つめなおそうと思いました。


最後にDiorHommeでいつも感心しているのは
「ネットの使い方」の上手さ。
今回もオフィシャルサイトと08SSが、
プレゼンテーション直後より連動しておりました。
http://www.diorhomme.com/


どうも08SSよりDiorHommeの文字表記も変わるようで、
また紋章も出てきております。
(この紋章につき、また調べなくては。)


正直このネットについて、
日本はこの点に関してデザイナーズに限らず、アパレルも全然ダメです。
サイトを作りっぱなしの状態や、そもそもサイトが無かったり、散々です。


最後に、08SS Dior Hommeを見て思ったのは、
トム・フォードやトム・ブラウンをよく見ておいた方がいいかなということ。
私が思う「二人のトムの時代」のように、新しい正統派を目指す流れは、
Dior Hommeにも影響があるかもしれない。