フィッティングに、モードもテーラードもない

「フィッティングに、モードもテーラードもない」
という仮説を私は立て、実行に移そうと思う。


服を着る上で、あるいは着せる上で、
「キレイに魅せる」というゴールは、モードもテーラードも同じだ。


確かに、テクニックやピン打ちで、
テーラードの世界とモードの世界とでは、微妙な違いがあります。


例えば、袖ツメのフィッテイングを挙げてみると、同じメンズでも、
ア)モードのDiorHommeの袖ツメのフィッティングは、
  ヒジより上部分で折り返しを作り、擬似的に袖丈の長さを見ます。 
  (テーラードの人間としては、初めて見たとき、物凄くビックリしました)
イ)上記の方法はテーラードのフィッティングでは、見たことがありません。
  テーラーでは、袖口を外側に折ったり、内側に折ってピンを打ちます。


いづれも一長一短があり、
ア)モードでは、袖口での最終的な落ち着きが分かりやすいものの。
  袖が細いなど折り返し難い場合や、5mmの左右差をつける場合などは、
  経験を踏まえないと、なかなかやり難い(ように思います)
イ)テーラードでは、袖口から折ってしまうため、
  最終的な落ち着きは分かり難いものの。左右差を測るのにはやりやすい。


そこで、両方を組み合わせて、実践してみると、
シャツの袖丈をフィッティングする際、
従来のテーラードのやり方だと、裄丈の長さを測ってから、
ツメ寸分の袖口を折り返して、長さをみるのですが、
そうすると当然カフスの釦をとめることができないため、
お客様からすると出来上がりが想像し難い。
しかし、モードのフィッティングの方法を採り、
カフスの釦をとめた上で、ヒジより上の生地をツメ寸分折れば、
出来上がりが想像しやすい。


従って、
モードとテーラードのフィッティンの方法を理解し、習得し、実践することが、
より正確なフィッティングであり、フィッターである我々と、
服を着るお客様ご本人のためになることはあえて言うまでもない。
まさにウィンウィンだ!


「フィッティングに、モードもテーラードもない」
を、この2007年後半の研究課題としたい。韓国行きを前に決意する。



*8月23日〜25日まで、韓国に行っているため、ブログを更新できません。
 ロッテ百貨店や学生街などをまわって、
 韓国のファッション事情を見てこようと思います。
 帰国後、ブログでもご紹介しようと思うので、しばらくお待ちくださいませ。