Dior Hommeにみる『定番品』,そしてポスト・エディ

kibby2007-02-18

ブランドには定番品ないしシンボルというものが
必ず存在すると私は思う。


例えば、
シャネルでいえば、シャネル・スーツであり、
Christian Diorであれば、ニュールック(1947年春夏)である。


そこで、時代を創った、そして創っている
Dior Homme。果たして定番品は何なのか。


これは人それぞれ意見があると思う。
毎季売上を支えているであろう「デニム」だという意見もあろう、
あと「テーラードJK」というのが説も有力だと思うのだが、


私はもうちょっと突ッ込んでみたいと思います。
私が思う定番品は、07SSでいえば右上に上げたモノクロ写真のJK。
つまり「ショールカラーのJK」である。


07SSは、進化の過程の中で、変形ショールカラーになっているのですが、
ネット上の画像で確認できる範囲で遡れば、
ショールカラーJKは、05SSから既に存在します。
それが写真では小さくなっているミント色の身頃のショールカラーJKである。


これは、当時、テーラードどっぷりで
モードに興味の無かった私でさえも衝撃的なアイテムでした。


ジャケットをドレスダウンするスタイル、
そして、タキシードをフォーマルダウンするスタイルとして、
ストリートにおちる魁であったと思います。


それからのコレクションを見ていると、
実はショールカラーないし、サイズ感の似た、
またはそれを連想させるジャケットが必ず登場しています。
(05-06FWのみ現在調査中)

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さて、考えたくないことだが、
クリエーティブディレクターのエディ・スリマン
いつかはDior Hommeを離れるときがこよう。
つまりポスト・エディ・スリマンについてである。


しかし、Dior Hommeは、
かつてMr.Diorが1957年に、
この世去っても、ブランドは存続したように、
Dior Hommeにあっても以後も残ると思うし、残ると思いたい。
まさかLVMHもオムを潰すことはなかろう。


Mr.Diorがもたらしたのは、「ニュー(ルック)」。
時代にセンセーショナルな旋風を巻き起こし、
人びとの街着を変えた。


エディ・スリマンのDior Hommeも、
同じく、センセーショナルな旋風を巻き起こした。
そういった意味では、Dior Hommeも、
Mr.Diorの精神を受けついた、Christian Diorのラインであったのだろう。


エディ・スリマンがDiorで伝えたかったのは何だったのか。
タイトな服、いいや違う。彼がもたらしたのは、
レディースのように美しいラインを描くメンズである。
この服たちは、ハリウッド女優をも魅了した。


将来、エディがDiorをさったあと、
次のデザイナーが、Dior Hommeで受け継ぐべきは、
時代に常に新しさを提案することであり、
キレイなシルエットの服である。


タイトさにこだわる必要はない。
アーカイブを見てもボリュームシルエットはあり、
07-08FWのサルエルパンツを見ても、
これからエディーがそれを教えてくれよう。


ずっとエディ・スリマンがさった後のことを心配していたのだが、
こう考えると気持ちが楽になります。
ファッションは常に我々に刺激を与えてくれるのだから。