「トム・ブラウン」のスーツ

以前のトム・ブラウンについては
【股下の長さ】に関する考察
http://d.hatena.ne.jp/kibby/20070410
において若干取り上げましたが、


彼の、来る9月の08SSのNYコレクション前に
ちょっと触れておきたいと思います。


ちなみに、彼のシャツはラブレスで見たことがあるものの、
スーツはまだ見たことも、試着したこともありませんので、
ご留意のほど、よろしくお願いいたします。


さて、彼の服については、コレクションで見てはいるものの、
やはりコレクションなので、秋冬はコートを羽織った状態なので、
スーツ自体が分かりにくく、07春夏は展示会ベースなので、
画像では見ることができるもののぱっとしませんでした。


つまり、彼自身の着こなしについては、
「僕は各シーズンの新しいスタイルを5着〜10着新調して、
 古くなったものは僕のスーツが着たくても
 高くて変えない若者たちに上げています」

という彼自身のコメントとともに雑誌で見ることができるのですが、
実際、どういう風にトム・ブラウンを着るか、
というのが、今まで分からなかったのです。


しかし、先日発売された『メンズノンノ7月号』において、
彼の顧客のスナップショットがあったので、
ちょっと詳しくみていきたいと思います。


トム・ブラウンのスーツの特徴
・N点から第一釦の距離が短い。
 つまり第一釦の位置が凄く高い。
 (三つ釦だん返りの場合、第二釦)
 これによってラペルもこぶりな印象に。
・肩は、アメトラのナチュラルショルダーか?
 アメトラのナチュラルショルダーというものがイマイチよく分かっていないので、
 詳しく述べられないのだが、イタリアのなで肩シルエットでも、
 イギリスのガチっとした肩のラインとも違う印象。
・標準より(おそらく)3cmは着丈が短い。ひょっとして袖と同じ長さくらいか。
・三つ釦だん返りは、
 いわゆるアメトラのぺったんこだん返り
・グレーの生地が象徴か。光沢感のある細番手の生地。
・袖丈はシャツのカフスが1cmほどちょっと出るくらいの標準的な長さ
・スラックスはのウケェストはベルトを締めないでもよい、ジャストサイズ
・ノータック
・丈が短く、ダブル巾は6cm以上はあるのではないかという
 標準は3.5ないし4cm
・リアリティのあるボディサイズ。スリムフィット。
 もともとはオーダーだったようだが、
 トム本人もそうであるように細い人でなくても着れる服
 A体は当然ながらABのサイズも展開しているのでは。
・ネクタイはパンツにイン。松本一志のよう。

 

写真からの完全に私見なので、
百見は一試着にしかずであり、
彼のスーツを着ないことにはどうもいえないですが、
今までにないスーツであることには間違いないです。


なお、着丈が短いのは、
今日本でも流行っている着丈の短さとはちょっと違うと思います。
日本で流行っている方は、釦位置が低いです。
cf:ジョンローレンスサリバンは釦位置が低く、Vゾーンが深い
トムのは着丈を短くしたことにあわせ、釦位置をかなり上げています。
ただ、身長にあわせた今の、いわゆる適正寸法よりも、
かなり短いので、号数の下ものを着てる印象に
(つまり着丈が、つんつるてんな感じに)、
これが非常におもしろく、今回の発見でもあります。
また日本は、着丈が短いことにあわせ横幅もコンパクトです。
トムの方は、着用者ががっちりしているため、
コンパクトという感じでもないです。スリムフィットではありますが。


あと、着丈が短く、かつ若干横幅もある人が着れるので、
おそらく気になるのが、股上のあたりの見え方(つまり股間)。
特に股下が短い人は余計に気になるかも。
私自身、まだ着丈が今ほど短いのがハヤっていないときに、
フロントカットをかなり開き気味で、やはり着丈を短く、
スーツを自分用に仕立てたことがあるのですが、
股間のあたりの見え方が強調されるような感じがして、
当時とても気になりました。
もしかすると体がムッチリしている分、気になる人は気になるかも。
これは是非試着して、確かめたい。


THOM BROWNE(トム・ブラウン)
・俳優をやっていた経歴を持ち、
 ブルックスブラザーズのゲストデザイナーを務める
 今のアメトラのファッションの流れとあいまって、
 エディ・スリマンがDiorHommeをさったメンズにあって、
 次のセンセーショナルを巻き起こすのは、彼かもしれない。
・公式HP http://thombrowne.com/