「大きなサイズを、お店ですすめられます」という相談

「サイズ選び」に関する質問メール という形で、
http://d.hatena.ne.jp/kibby/20070810
http://d.hatena.ne.jp/kibby/20070830
これまで二回、スーツのサイジングに関するメールをご紹介しておりますが、
細かいメールも含めますと、他にもいくつか相談メールをいただいております。


そのメールの中で、共通して皆さんがおっしゃることは、
「(スーツで)大きなサイズを、店員さんにすすめられます」ということ。
特に、モードのテーラードジャケットに慣れた若い世代の方に共通して言えます。


モードは、どうしてもレディースの要素が強く。
「ゆとり量」の考え方がメンズのそれとは考え方が違く、
特に、DiorHommeに始まるコンパクトフィットの時代を経験した方々は、
いわゆるテーラードのスーツを、オーバーサイズ感というか、
どうしても太く、大きく感じてしまいます。


また、【路上で採寸】を通して判明したことですが、
今の20代前半〜中盤というファッションを牽引する世代の
体型が凄く細いです。特にチェストが細いです。詳しくは↓
http://d.hatena.ne.jp/kibby/20070719
従って、既製品のスーツが彼らの体型にあっていないとも言えます。


そして、残念なことは
テーラードの人間で、モードに興味のある私のような人は意外にも少なく
いただくメールを拝見しておりますと、その当たりからのニーズを、
販売側が、上手くうかがえ切れていないような気もします。


私事で恐縮ですが、
「モード」に興味を持ったのも、街でJKを着ている若者を見かけ、
「低迷を続けるスーツが、彼らに売れるのでは」と思ったからです。
そのためには、今彼らが着ているものを知らなくてはと思ったのが始まりで、


裏原の小さいショップや、モードのJKを試し始めたときは、
逆に「もの凄くキツいな」「前釦とめられないじゃん」と思ったものです。
でもそれでいいのです。それが最近やっと分かってきたような気がします。

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例えてあげるなら、先の【前釦とめる・とめない問題】


ストリートでのモードのJKは、前釦をとめなくていいのです。
別にビジネスで着ているわけではないですし、
感覚的に、そしてリアルな着用状況がカッコよく見えることが重要です。


変わって、
ビジネスでのテーラード・スーツは、前釦をとめる必要性があります。
しかも、とめたときにシワがよってはいけません。
これは人に対する見え方が重視される、ビジネスでの、いわばキマリで、
最近ここ一、二年『LEON』などでシワがカッコイイなどという記事や写真が、
出てきてはいるものの、まだまだ根強い考えです。


従って、ビジネスでのテーラードスーツは、ストリートでのモードJKに比べ、
求められる着用スタイルから言っても、ゆとり量の考え方が違ってくるのです。

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これから就職活動の時期が始まります。
ということは、20代前半の若者がスーツを着だすということです。
彼らのニーズをくみ取り、サイズを提案することが必要で、
今年は、よりカッコよいスタイリングを目指したいと思う。
それで、目指す会社に内定が決まってもらえると、なお嬉しいです。