ケヌキアワセ 〜コートの袖口が痛んできたら〜
コートが必要な気温が続いておりますが、
皆様、風邪にかからずお元気でしょうか?
さて今回は、そのコート関連でのお直しのご紹介です。
若い方もオシャレでトレンチコートをお召しになる方が、
最近特に増えましたが、おそらくそろそろ出てくる問題が、
袖口の痛み。
何年か着込んでいると、どうしてもコート袖口というのは、
擦り切れてしまい、糸が出たような感じになり、とても見栄えが悪く、
お気に入りほど着込むので、痛みやすいです。
そこで登場するのが、
「ケヌキアワセ」という修理方法。
(「毛抜き合わせ」と漢字では書くのでしょうか、不明です。)
ケヌキアワセとは、画像のような修理上がりで、
1cmほど袖が短くはなってしまいますが、
袖口の痛みは見えなくなり、表地にも縫い線が見えません。
*コート:約30年前に父が英国で購入したアクアスキュータムのもの
ベルトの付属品もケヌキアワセと同時に交換しました
コート屋に聞いたところ、
「コートというのは従来、この袖口の痛みを想定して、
袖の長さをフィッティングする」
とおっしゃっていました。
たしかに、(基本的には)
JKの袖の長さは、手の甲にかかる手前くらい(親指から9〜11cm上)で、
コートの袖は、親指の付け根が隠れるくらい、
っと、コートの方が袖が長いです。
この基準は、JKの上から、コートを着たときに、
JKの袖が、コートの袖から出て、見えないようにするため、
だとばかり思っていたのですが、それだけだと、
もうちょっとコートの袖の長さ短くても良いかもしれないですね。
だからコート屋の言うケヌキアワセを想定した理由は納得できます。
もし袖口が痛んだら、新しい一着をおもとめいただいた方が、
私ども販売の現場のモノは嬉しいですが、
やはりお気に入りの一着、お直しでもう数シーズンおめしになってみては。
(その分、浮いた資金で、春夏にスーツを買ってください、笑)
注:袖口のデザインによっては、ケヌキアワセの修理が承れないことがあるので、
是非、ショップやお直し屋さんに現物を持ち寄って御相談ください