景気 と ファッション

つい先日まで、パリ・ミラノ・ニューヨークで、
09-10秋冬のコレクションが披露されたわけですが、


以前の日記でも述べたよう、この不景気を受け、
カールやルカなど名だたるデザイナーが、
インタビューで、09-10秋冬のコレクションについて、本人たちの口から、
昨年に起きた経済危機が、そのクリエイションに影響を与えられた旨を話し、
その結果として、リアル・クローズ、着れる服(=売れる服)との評がメディアに多い。
http://www.afpbb.com/category/entertainment/fashion


さて、店頭では、秋冬のセールも落ち着き、
寒い外観ではありますが、春夏モノがほぼ全面っといった感じだと思います。


ピンクなどの色の解放など「分かりやすい」モノが提案されており、
それまでの黒一本だったことと、
それまで好景気(←私が言いたい)だったことが背景にあると思う。


しかし、この09春夏。もともとのコレクションはミラノで08年6月に始まりました。
そして、今の不景気は、同年の9月29日に、
アメリカ下院が金融安定化法案を一旦否決したのを機に、
ニューヨーク証券取引市場のダウ平均株価は史上最大の777ドル暴落し、
加速しました。


つまり、コレクションや展示会で一生懸命仕込んでいる時と、
実際に店頭に並んだ時の、経済的な環境が全く違うということ


「財布の中に、余裕があり、気分も上々」という仮定のもと、
 ・デザイナーやメーカーとしては去年なかったピンクのシャツを作るわけである。
 ・消費者としては「今まで着たことのなかった」ピンクのシャツを買うわけである。


さぁ、この春夏。どう動くか。
「財布の中に余裕が無くなる」という現実。
保守的に動くと、「色の解放」には手を出さなくなります。
それとも、タンス在庫に無い華やかさを求め、コレクションの提案通りいくか。
景気とファッションの良いケースとして、じっくりと観察しつつ、仕事をしていきたい。

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■参考■ケミカルウォッシュについて
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090219-00000008-rnijugo-ent