「柳井正」と「ドラッカー」と「キビー」

お恥ずかしながら私自身、ビジネススクールを卒業しているものの、「ドラッカー」という方をよく理解していませんでした(覚えていないだけか、汗)。それが書店に行って、ふとしたことから「ドラッカーの著書」を手にとり、時間の考え方や意思決定について、今数あるビジネス系の本と同じことが書いてあることに気がついた(勝間和代の時間の使い方なんて、その最たるものな気がする)。それで、このドラッカーの年表を見たら、2005年に95歳で亡くなっていることが分かった。そう、つまりドラッカーとは「源流・オリジン」なのだ。時代の変化にも風化することのないメッセージが記されており、それを今のコンサルタント、経営者が自分なりに解釈し、実践して、記しているのが、今のビジネス本なのだ。そういった意味で「ドラッカー」は「聖書」といえよう。チェロでいえば、バッハの「無伴奏組曲」だ。

さて、今日読んだ本は『柳井正 わがドラッカー流経営論(NHK出版)』。柳井正は、「ユニクロ」で皆さんご存知のファーストリテイリング会長兼社長だ。この方は、ドラッカーの熱烈な信奉者で、ドラッカー著の『プロフェッショナルの条件』を社員全員に配った程だ(いったい何人いるんだろう)。この本は、ユニクロの成長と、彼の経営哲学、そしてドラッカーを上手くからまして記されており、大変分かりやすい。我流の速読でなくても、二時間もあれば読むことができた。これを読んだ後に、ドラッカーを読んでも入りやすいかもしれないが、ドラッカーを楽しめるには、ビジネスマンとして何か問題や悩みを持ち、自ら手に取らないといけないような気がする。そうでないと、ドラッカーの本は、ただのまわりくどい、ぶっとい本になってしまう。

えらそぶったことを書いたような気がするが、ドラッカーの本はぶっとい。我流の速読で、読むにはもったいない気がするので、ゆっくり読んでいる。それでよい。今は、先述の柳井さんが若手社員に配ったという『プロフェッショナルの条件』を読んでいる。カイゼンで育った僕には、知識労働者の「時間管理」について、凄い共感できた。ドラッカーは、専門用語もほぼ無く、非常に読みやすい、しかし、その分長くなってしまう。同じようなことが同じ章で繰り返し書かれているような気もするのだが、その分それが重要なのだということであろう。中国に渡る前に「ドラッカー」に出会って、本当に良かったと思う。中国では学生になるので、時間をかけて、ドラッカーの著書をたくさん読んでいきたい。