【山東如意科技集団】邱会長のインタビュー記事より

山東如意科技集団】邱亜夫会長のインタビュー記事 - 5/30 朝日新聞 - 
アパレル大手【レナウン】と中国繊維大手【山東如意科技集団】の資本業務提携
http://www.asahi.com/world/china/news/TKY201005290351.html


>繊維メーカーから総合衣料品グループへの飛躍を目指す如意にとって、レナウンの商品企画力が欠かせないとの見方を示した。(中略)「シンプルライフ」などレナウンブランドを中国市場で展開する具体策などを盛り込む。

約5年前にお会いした中国の大手某アパレルメーカーの総経理がソフト面(アパレルでいえば、デザイン)やブランド力を欲しいと言っていたのを思い出す。それが、まさか「レナウン」になるとは思いもよらず。今回、ちょうど力が弱っていたレナウンは格好の標的になり、山東如意科技集団と資本業務提携にいたった。レナウンは紳士重衣料で歴史を持つ「ダーバン」を持つ会社である(日本の既成スーツの歴史を作った会社といって過言ではない。今年のキャラクターは竹野内豊)。また、レナウンにとっての基幹ブランドだ。

なお、「ダーバン」は九州の自社工場で、そのスーツのほとんどを縫っており、「メイド・イン・ジャパン」を誇りにするブランドである。「ダーバン」というブランドは既に中国でも展開しており、それがライセンスだったか、今資料が手元にないのだが、権利関係に問題がなければ、これから中国でのダーバンの展開は3つの選択があると思う。【1】日本での展開にように「メイド・イン・ジャパン」に絞った富裕層向けの付加価値の高いブランド。【2】山東如意科技集団もスーツを持つ工場を中国に持っているので、その強みを活かした中国製の大量に縫った上代の安いスーツと、九州工場で縫った高いスーツの二本立てで展開。【3】全て中国製に切り替えて、ブランド力を食いつぶす、コストパフォーマンスで勝負するブランドに変貌する。さてこれからどうなるか、卓越したバランス感覚によるブランドマネジメントが見ものになる。僕は非常に楽しみだ。


>邱氏は「レナウンの大株主は変わり続け、その多くが短期的な利益を求める投資ファンドだった」と指摘。今回の提携は「兄弟のような関係で、両社双方の発展に有利」と述べ、長期的な戦略に基づくものと強調した。

これまでカレイド・ホールディングスや、かざかファイナンスに株式が翻弄されてきた経緯に対しての、「株主・従業員・顧客」、そして老舗メーカーだけに日本人全体に対する、邱会長の配慮によるコメントであろう。ただ、私も日本人なので、ブランドや工場をガボっととって、あとはポイっとしないことを祈りたい、その中で、邱会長の「兄弟のような関係」という発言を信じたい。